コードとメロディの関係~クラシック音楽編~

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コードとメロディの関係の回にて、12音階のメロディとしての使い方についてお話ししました。
その回でお話しした内容は、主にポピュラー音楽の世界で語られる内容なのですが、クラシック音楽の世界でも、そのあたりのお話が異なる言葉で語られています。

クラシック音楽とポピュラー音楽では、音創りのルールが異なっています。
(クラシック音楽の方が制限が多いというイメージかな。)

とは言え、言い方が違うだけで交わっている部分も多く、またポピュラー音楽作曲の参考にもなる部分もありますので、コードとメロディの関係の回でお話しした内容と照らし合わせながら、『コードとメロディの関係~クラシック音楽編~』と題してそのあたりのお話をしようと思います。

非和声音(ノンコードトーン)の使い方

ポピュラー音楽の場合、コードトーンと同様にテンションノートが自由に使えましたが、クラシック音楽の世界では、コードトーン以外の音は、テンションノートも含めて非和声音(ノンコードトーン)という括りで、その使用に制限があります。
(テンションノートについては、テンションノートの回参照)

非和声音は、使い方によって以下のようなものがあります。

  • 補助音
    コードトーンの上、または下に順次進行(全音or半音の音程差に進行)で飛び出し、もとのコードトーンにもどる音
    ⇒同じ音程のコードトーンの間にあるスケールワイズあるいはクロマティックアプローチノート
  • 複補助音
    上へ飛び出す音、あるいは下へ飛び出す音が連続する補助音
    ⇒同じ音程のコードトーンの間にあるディレイド・リゾルブ
  • 片補助音
    コードトーン間にあり、前のコードトーンの反対方向に跳躍進行(全音1.5個分以上の音程差に進行)して後ろのコードトーンへ順次進行する補助音
    スケールワイズあるいはクロマティックアプローチノート

補助音譜例

  • 経過音
    一つのコードの中では、音程の異なるコードトーンへ順次進行で進む音、あるいは二つのコードが連結されるときは、どちらのコードトーンにも含まれない音で順次進行する音
    ⇒音程の異なるコードトーンの間にあるスケールワイズあるいはクロマティックアプローチ、テンションノート

経過音譜例

  • 掛留音
    二つのコードが連結されるとき、前のコードトーンの1音が遅れて後のコードトーンへ順次進行で進む音
    ⇒前のコードトーンが伸ばされて、別のコードの領域に入ることにより、スケールワイズあるいはクロマティックアプローチノートと化すもの。
  • 掛留補助音
    掛留音とコードトーンの間にもう一つの音が入ることもある音
    ⇒掛留音とディレイド・リゾルブを形成するアプローチノート

掛留音譜例

  • 倚音(いおん)
    二つのコードが連結されるとき、後のコードトーンの上、または下にぶつかり、遅れてコードトーンに順次進行で進む音
    ⇒後ろのコードの第一拍目(強拍)にあるアプローチノート
  • 倚補助音
    倚音とコードトーンの間にもう一つ入る音
    ⇒倚音とディレイド・リゾルブを形成するアプローチノート

倚音譜例

  • 先取音
    二つのコードが連結されるとき、後のコードトーンの一つを先取りして、前のコードの領域で鳴らす音
    ⇒これは、後ろのコードトーンに跳躍進行(全音1.5個分以上の音程差に進行)してもOKなので、順次進行が必須であるアプローチノートではなく、(自由に使える)テンションノートになります。

先取音譜例

注目するポイント

ここで、ポピュラー音楽創作者として注目すべき非和声音は、二つのコードが連結される時の橋渡し的に使われる経過音、係留音、先取音の三つかと思います。

この三つはコードとメロディの関係の回でお話しした内容だけでは、なかなか理解しにくいところかと思います。
しかしながら、これらはポピュラー音楽でも良く使われています。
かく言う私も、よく使ってます(笑)

ゆえにそのあたりを、コードとメロディの関係の回でお話しした内容と伴にご理解いただけると、さらに表現の幅が広がるかと思います。

今後の楽曲創作活動のご参考になれば幸いです。

大阪芸術大学通信教育部音楽学科生限定情報
ココ、試験に出ます!!
※和声法の教官が、『非和声音、試験に出ます。』とスクーリングで明言してますし、実際出題されました。

ということで本日はこの辺で。
最後までご覧いただきありがとうございました。

MASA

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