作曲に音楽理論は必須か?

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作曲をしたことのない音楽仲間から、よく次のような相談を受けます。

『作曲したことないけど、やっぱり音楽理論を勉強することから始めた方がいい?』

本日は、この件に対する私の見解をお話ししたいと思います。

作曲に音楽理論は必須ではない

音楽理論など知らなくても作曲はできます。

自身が心地よいと思う(今までにない)メロディを鼻歌で歌っても、それは作曲したことになるのですから。

とにかくまずは創ってみましょう。

で、創ってみて、もう少しイイ感じにしたいとか、どうしたらいいか迷う部分が出て来た時に、音楽理論をちょっとかじってみて、解決策を見つけるという感じの付き合い方でイイと思います。

音楽理論はあくまでも困った時に使うツールだと思った方が良いと思います。

それに、曲を創ってゆく過程で音楽理論を学んだ方が、より興味も湧きますし、身にも付きやすいとも思います。

というわけで、音楽理論の勉強は置いておいて、とりあえず創ることから始めてみることをおススメします。

音楽理論とは

音楽理論は『人間が心地よい、気持ちよいと感じる音楽を解析してそれをルール化して打ち立てたもの』です。
和声法の難しさの回でお話ししたように和声法もそのひとつですね。

ですので、あくまでも人間の感覚や感性が優先されるモノだと思った方が良いと思います。

和声法の難しさの回でお話しした、さる和声法の解説書にある

『和声の規則に乗っていないところが、作曲家が特に工夫したポイントである可能性が高いので注目して聴いてください。』

という記述の『工夫したポイント』の真意は、

『規則に則ってないけど、こんなに心地よい音楽を創ったんですよ~、新しいでしょ~』と作曲家が訴えている部分

だと理解しております。

裏を返せば、細かい規則を謳う和声法の解説書にすら、

『理論よりも感性が優先される。』

と書いてあるようなものかとも思います。

音楽史をひも解いてみても、そういった考えが見られます。

例えば、20世紀の作曲家たちは、19世紀までの西洋音楽、調性に基づいて創られるいわゆるクラシック音楽の規則の呪縛から離れて、自身の感性に基づいてよりよいモノを如何にして創るかを切磋琢磨した人たちです。

ドビュッシー、ジェーンベルク、ジョン・ケージ等々

そういった方々が拓いた新しい道の延長上に、現在の音楽があったりもします。

例えば、ゴジラの劇伴やドラクエのダンジョンとかで流れているBGMは、多くの人が耳にしていると思いますが、その時代に概念が形成された無調性音楽です。
また、以前にお話ししたアクースマティック・ミュージックもその流れから生まれたものです。

もちろん、作曲をする時に音楽理論を知っているに越したことはないです。
引き出しが増えるので、曲のバリエーションも拡がりますゆえ。

ここで伝えたいことは、音楽理論を知らないと作曲ができないと思い込む必要はないということです。

おそらく、我流で曲を創り続けていると、どこかでパターン化してしまう壁にぶち当たります。その時に、その壁を打ち破る手段として音楽理論を勉強をスタートするのでも、全くもって遅くないと思います。

自身の音楽的感性を信じよう

あとよく聞かれるのが

『自分では心地イイって感じるんだけど、理論に合ってないみたい。どうすればいい?』

こういった問い掛けをするのは、自身の音楽的感性に自信がないから理論的バックアップが欲しいということなのではないかと推察してます。

今まで経験してこなかった分野に乗り出すわけですから、自信を持てと言われても中々持てないですよね。

そのお気持ち、よ~くわかります(´ω`*)

ですが、音楽好きのあなたは世の中に流れている様々な音楽を聴いて来たはずです。
そしてそういった音楽を聴いて来たからこその感性が無意識のうちに育まれているはずです。

ですから、育まれてきた自身の感性を信じましょう。

何も問題はないです。
あなたと同じ音楽的感性を持った方がどこかに必ず居て、その人には良いと感じるはずですので、自身の感性に自信を持ちつつ、曲創りに勤しんで欲しいと思っています。

そもそも、

あなたの感性に基づいて創った今までにない楽曲こそ、唯一無二のあなたのオリジナル曲でもあるのですから。

そして、

もしかしたら、その楽曲が新しい音楽理論の幕開けになるかもしれませんよ。
上述した歴代の音楽家たちがそれまでの理論を乗り越えて新しい音楽を創って来たようにね。

皆さんの音楽活動がより一層ご自身に取って意味深いモノになることを祈念しております。

ということで本日はこの辺で
最後までご覧いただきありがとうございました。

それでは、また

MASA

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