想いはステージの上で

Blog

楽曲に込めた想いを観に来てくれた方に受け取ってもらいたい。
何かを感じてもらいたい。

歌い手なら誰しもそう思うのではないでしょうか?

そのために、私自身がステージで歌う時に注意していることは、

楽曲に込めた想いはステージの上で描き切る。
想いをステージと客席の境界線より客席側に出さない。

です。

本日は、この話にお付き合いいただければと思います。

ある若者のステージにて

もう10年以上も前の話です。

とあるライブハウスで対バンしたシンガーソングライターの若者。
素朴で屈託のない笑顔の20代男子で、楽屋で話した時もほんわかとしていて、楽曲も演奏もその人柄が現れたとてもいいステージをする人でした。

そして、ステージのラストに大好きだったおばあさん(故人)への想いの溢れる曲を彼は歌い始めました。

前半は、本当におばあさんのコトが大好きだったんだなあ~と想いながら聴き入っていたのですが、後半になると突然客席の方に下りて来て、お客さんの目前で想いをぶつけるような歌い方をしたのです。

自分なりに一生懸命考えて、聴きドコロだから、より想いを込めて客席に伝えようとしたのでしょう。しかしながら、正直

引きました・・・(-_-;)

感動しろ、感動しろって押し付けられているみたいでね・・・

そもそも私は、考えや気持ちを押し付けられることがものすご~く苦手な人間なので、こういうの本当にダメなんですよね~(;^_^A アセアセ・・・

ただ、この曲が終わった後の拍手の具合や客席の雰囲気で、そう感じていたのは私だけではなかったとも感じました。

メジャー歌手のご意見

この経験を、長年メジャーシーンでシンガーソングライターとして活動している知人に話したところ、彼女からは次のようなコメントが返ってきました。

お客さんは時間とお金を使ってわざわざ見に来てくださっている。
だから、ステージ上で何かやってれば、お客さんは自然にステージに注目する。
その時に、キチンとステージ上で世界観を描いていれば、ちゃんと引き込まれます。
決して想いをステージと客席の境界線より客席側に出してはいけない。
押し付けになるだけで、引かれます。

想いはステージの上で描き切る

この話を聞いて以来、他のアーティストさんのステージをそういった点に注目して観るようになりました。
すると、確かに、私がいいなあ~、引き込まれるなあ~って思う方は、総じてステージ上で世界観を描き切ることに集中し、想いを客席側に出していない。

さらに、私自身も客席に想いをぶつけるような歌い方をしていたので、それを止めて、ステージの上で描き切るように心がけました。

すると・・・・

客席の反応が変わったと感じました。

何というか歌っている時の会場の空気感が私に味方しているような感じ・・・・
うーん、言葉で表現するのが難しい・・・・(-_-;)

まあ少なくとも、ライブ後、初見の方に声を掛けていただくことが増えたとは思います。

楽曲の良し悪しもさることながら、それをステージ上で表現する手法もとても大事であると痛感した私の音楽活動においては革新的な出来事のひとつでした。

楽曲に込めた想いはステージ上で描き切る。
想いをステージと客席の境界線より客席側に出さない。

ただ、わかってはいながらも、そうするの中々難しいんですよね~(^▽^;)

一生懸命創った楽曲ですから、そこに込めた想いを聴いて下さった方に受け取って欲しいっていう気持ちが強すぎて、ついつい客席に想いを伝えよう伝えようと、ぶつけるような歌い方をしてしまうのですよねえ・・・・(^▽^;)

イイ歳のおっさんシンガーですが、まだまだ発展途上です。
そして、研鑽の日々は続くのです。

ということで本日はこの辺で。
最後までご覧いただきありがとうございました。

それでは、また。

MASA

コメント

タイトルとURLをコピーしました