ステージ上で絵を描く

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『歌が上手すぎるとそれに聴き惚れてしまって、歌詞をはじめ楽曲の持つ世界観が入ってこないことが往々にしてある。』

知人のプロ歌手のお言葉です。

このお言葉を聞いた当時、とにかく上手く歌うことが、想いを伝えるための唯一無二の方法と思い、精進していた私にとって、かなり目からうろこが落ちるお言葉でした(^_^;)

ですが、それ以来、他のアーティストさんのステージをそういった目で観る(耳で聴く)ようになったら、彼女の言っていることが腹に落ちるようになりました。

確かに、歌唱力が高い人のステージって、その歌声に聴き惚れてしまって、上手いなあって印象しか残らず、何歌ってたっけ?ってなることがしばしばなんですよねえ・・・・(;^_^A アセアセ

誤解しないで欲しいのはそういった上手いなあって印象しか残らないアーティストさんをディスりたいわけではないのです。

上手い人の歌聴くの心地いいですよね~♪

いわゆる耳福ってやつ。

それも、音楽の楽しみ方のひとつなんで、歌唱力で聴衆を魅了するなんて素晴らしい技術だなあと、そういった方々に出会うといつも敬服してます。

ただ、歌っている目的が、自身の想いを伝えたいという私のような歌い手は、それでは目的が達成できない、ってことなのです。

有名な曲のカバーだったら、聴き手の方々も歌詞や創り手が込めた想いを事前情報として持っているので、あとは歌唱力勝負って感じでもOKなのですが、私の様にてめーで創ったオリジナル曲、つまり聴き手が事前情報を持ってない曲で想いを伝えるわけですからね。

もちろん、上手いに越したことはないですが、それだけじゃダメだってこと。

じゃどうすればいいのか?ってことなんですが・・・

これは、かなり難しい問題ですね~(;^_^A アセアセ・・・

私自身も未だに何が正解かわかりません。

正解かどうかはわからないですが、私自身が意識してみて、想いが伝わった旨のお褒めの言葉をいただく回数が増えた経験を以降お話しようと思います。

ステージ上で絵を描く

まずは、先ほどの発言主であるプロ歌手A氏(仮名)は、そのあたりをどう考えて、ステージに立っているかをお聞きしてみました。

MASA:
Aさんは、想いを伝えるためにどうされてるんですか?
A氏:
私の場合は、

(ちょっと考え込む)
・・・・・
ステージ上で絵を描く・・・・ですかねえ。
MASA:
え、音楽なのに絵を描くんですか????
(しばし考える)
・・・・・
・・・・・
う~ん、腹に落ちないなあ・・・・。別の言葉で表現し直せますか??
A氏:
う~ん
(しばらく考え込む)
・・・・・
・・・・・
・・・・・
すみません、絵を描く以外表現のしようがないです。
MASA:
????????

 

ステージ上で絵を描く

何のことだか意味不明ですよね(笑)

私も最初にこのお言葉を聞いたとき、上に示したように?だらけでした。

あまりにもアーティスティック過ぎるお言葉で・・・・(;^_^A

ですが、このお言葉を自分なりに咀嚼して、ステージに立つようにしてみました。

で、様々なステージを経験し、観てくださった方の反応や録音したモノを聞き返してみたりして、トライ&エラーを重ねた結果、こういうことかしら?という私なりの解釈を得るに至っております。

『ステージ上で絵を描く』のMASA的解釈

その楽曲の世界観を具体的な映像としてイメージし、それを頭で描きながら、歌でその世界観を表現すること。

これが私の『ステージ上で絵を描く』の解釈です。伝わるかしら?(^_^;)

オリジナル曲を歌うならば、自身で詞や曲を書きますから、頭の中にその基となる映像やイメージがあって、それを言語化あるいは具現化しているのではないかと思います。

ゆえに、その映像やイメージを頭の中に描きながら聴き手に伝えるように歌う、という感じですね。

また、カバーの場合には、その曲の世界観を自分なりに解釈して具体的な映像を創り上げておき、ステージ上ではそれを頭の中に映しながら伝えるように歌います。

これをすると、ステージ上で絵を描くことに精一杯で、客席の動きも全く気にならなくなって演奏に集中できるし、想いはステージの上での回でもお話ししましたステージ上から客席側に想いを出さないことにも繋がったと感じています。

その結果、客席の動きに動揺してミスすることもなくなりましたし、観てくださった方々の反応も変わりました。

少なくとも、ステージ後に想いが伝わった旨のお褒めの言葉をいただく回数は増えましたね。

癒されました、とか

心に響きました、とか

泣きました、とか

明日からまた頑張れます、ありがとうございました、とか・・・・

ちなみに、想いを伝えるために歌うのであれば、音程とかリズムとか、楽曲の世界観を壊さない程度の歌唱力でいい、とも考えるようになりました。

もちろん、そこまでになるのも難しいんですけどね・・・(;^_^A

今後の音楽活動のご参考になれば幸いです。

ということで今日はこの辺で。
最後までご覧いただきありがとうございました。

MASA

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