昨日、ニュースを介して、ポピュラー音楽界で一時代を築いたシンガーソングライター谷村新司さんが逝去なさったことを知りました。
自身の音楽に多大な影響を与えてくださった方でしたので、このニュースを知った時に思わず声を上げてしまいましたし、すぐにでも追悼の言葉を発信したいと思いましたが、自身にとってあまりにも大きな出来事であったので、なかなかうまくまとまらず、今日に至っております。
そこで、追悼の意味も込めて、谷村さんの音楽に対する自身の想いをつらつらと語ろうと思います。
ちょっと(いや、かなりかな)、自分語りになりますので、その辺を勘案したうえでお付き合いいただければ幸いです。
私がギターを始めたのは、谷村新司さんがリーダーを務める3人組フォークグループ『アリス』が日本のポピュラー音楽界で一世を風靡していた頃でした。
当時のギター教本やギター雑誌には、アリスのヒット曲の譜面がよく掲載されていたので、それをコピーすることが多かったです。
ありがたいことに、アリスのヒット曲はコード進行がシンプルで、スリーコード(コード3つ)で弾ける曲も多く、ギターど初心者の私でも当時のヒット曲を弾いて楽しむことができました。
そしてその楽しさがモチベーションにもなり、今日まで挫折することなくギターを弾き続けていられるに至っていると思います。
さらには、スリーコードでもヒットするようなキャッチーな曲ができるのなら、私でも作曲できるんじゃねえ?と思ったのが、作曲を始めるキッカケでもありました。
その時に創った楽曲はとてもお聴かせできるレベルではないんですけど、それでも当時の私にとっては『私は、作曲ができるんだ!!』っていう自信を芽生えさせるには十分な行為であって、そしてその自信があったからこそ、今日まで曲を創るという行為を楽しみつつ続けて来られたとも感じております。
ですから、谷村さんの音楽がなければ、演奏や音楽創作に目覚めることもなく、シンガーソングライターMASAはいなかったかもしれないのです。
そういった意味で私にとってはとても大きな存在でした。
アリスの楽曲は、今でも耳に残っているものが数多くあるのですが、その中でも、一番印象に残っているのは、『冬の稲妻』でも『チャンピオン』でもなく、『それぞれの秋』(作詞・作曲:谷村新司)です。
そこまでヒットした曲じゃないのですが、描かれている人生の悲哀が心に刺さる名曲だと思っております。
『人は自分の死に場所を探すために生きる。』
当時、高校生だったかな。
この歌詞の意味深さがとても印象に残っており、言の葉の力というか凄みをまざまざと感じたことを覚えております。
私が楽曲を創作する時には、言葉をどう選びどう紡げば、その力を引き出せるのかに想いを馳せることをとても大切にしているのですが、それはこの時の想いが原点になっているのではないかと、今更ながら思う次第であります。
谷村さん、素敵な音楽をありがとうございました。
安らかにお眠りください。
合掌
MASA
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