先のブログ(音とは?~物理的側面からの考察~)にて、倍音をどう組み合わせるかによって、音色が決まり、聴き手の印象にも多大な影響を与えるとお話ししました。
今回は、歌声における倍音の具体的なコントロール方法についてお話ししたいと思います。
ただし、こういったお話はいろいろな方がいろいろなことを言っていて、正直どれが正解かを判断するのはなかなか難しいなあ、というのが調べてみた率直な感想です。
そこで、ここでは私自身の体感と工学的な知識を駆使して、このあたりが正解っぽいというお話しで、自分の調べたことの備忘録的な内容になります。
その点をご了承いただいた上で読み進めていただければと思います。
もしかしたら大いなる考え違いを犯しているかもしれないので・・・・(;^_^A
本ブログを読むことにより、発声の原理に興味が生まれ、ご自分でいろいろ調べてみるキッカケになれば幸いです。
声の発生メカニズム
まず、人は声帯を振動させることにより音を発生させます。
正確には、声門(声帯の隙間)の開閉により空気の通過・遮断を制御して、空気の濃い部分と薄い部分(空気の圧力変化)を発生させて音とします。(音とは?~物理的側面からの考察~の回参照)
この音は、喉頭原音(こうとうげんおん)と呼ばれます。
そして、この喉頭原音を体内にある共鳴腔の中で響かせることによりブースト(増幅)し、それが人の声として、我々の耳に届いているという流れになります。
喉頭原音のコントロール
喉頭原音は、基本周波数と振幅を持っています。
喉頭原音の基本周波数と振幅は声帯の長さや厚さ、張力、そこを通す息(呼気)の量&速さによって変化します。
例えば、成人女性や子供は、成人男性に比較して声帯が短く薄いので、より速い振動になり、高周波数の声、すなわち高い声になるわけです。
また、声門を流れる呼気の速さ(流速)がある限界値に達すると、乱流が起こり、可聴周波数全域にわたる連続スペクトルをもつ音も発生します。
すなわち、様々な周波数を持つ音を喉頭原音に含ませることができるということにもなります。
この喉頭原音のコントロールは、声帯周りの筋肉の動きと呼気の量&速さで行います。
声帯周りの筋肉の動きを意識してコントロールするのは難しいので、声を当てる(あるいは置く)位置を意識することにより、間接的にコントロールする方法が提唱されています。
この方法を提唱したのが、声楽教師のフレデリック・フースラー氏であり、この声を当てる位置は『プレイスメント』あるいは『アンザッツ』と呼ばれています。
で、このあたりの話は、非常に深~い話になりますし、そもそも私もさほど詳しくないので、他の詳しい方々の解説に譲りたいと思います。
少なくとも私自身はこの『アンザッツ』を意識することにより、声に表情を付ける余裕ができました。
共鳴腔でのコントロール
共鳴とは、ある空間の中で音を反射(反響)させることにより、元音と反射音とを合成し、音量を増やす(増幅する)物理現象の名称です。
そして、共鳴により増幅される音はすべてではなく、反射させる距離によりその周波数が決まり、その周波数の整数倍の音(倍音)のみが増幅されます。
ゆえに、高校物理の解説ページ(これもググると数多くヒットします。)を参照くださいませ。
共鳴腔とは、体内にある声を共鳴させる空洞のことです。
人間は、体内に多くの共鳴腔を持っています。
歌う時に使う共鳴腔は、主に咽頭腔、口腔、鼻腔の3つと言われており、どこでどのくらい響かせるかにより、倍音のブースト具合が変わり、歌声の音色が決まります。
そのやり方は、人それぞれ体格が違うように、この共鳴腔の大きさや使い方も人それぞれなので、人により異なることになります。
ちなみに、私自身は、低音は咽頭腔を中心にして、音程が上がるにつれ共鳴腔も上にあげて行き、高音では鼻腔を中心に響かせて歌ってます。
少なくとも私にはこの方法が合っているようです。
歌声で判断
いろいろと理屈尽くめでお話してきましたが、アンザッツも共鳴腔の使い方も、結局は歌声で判断するしかないとのことです。
ですので、呼気の量&速さ、声の当て方、共鳴腔の使い方をいろいろと考えながら声を出し、録音などして、声とそれぞれの使い方の関係を把握し、そして、出したい声を出すためのそれぞれの使い方をマスターするという方法一択で創り上げてゆくしかない様です。
また、アンザッツや共鳴腔に詳しいボイストレーナーさんに直接指導を受けるというのも良い方法だと思います。
と、偉そうに語ってますが私も発展途上なので、試行錯誤と研鑽の日々を送っております(´艸`*)
お互い頑張りましょうね~♪
調べたことの備忘録的になりましたが、ご参考になれば幸いです。
ということで、本日はこの辺で。
最後までご覧いただきありがとうございました。
MASA
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